“長さ43メートルの涅槃仏と伝統タイマッサージ学校を有する歴史的寺院。”
ワット・プラ・チェトゥポン・ウィモンマンカラーム(Wat Phra Chetuphon Wimonmangkalaram)は、バンコクで最も古く最大級の寺院の一つで、50ライ(約80,000平方メートル)以上の敷地を持ちます。その名前は、仏陀がかつて住んでいたとされるインドの修道院に由来します。寺院になる以前は、伝統的なタイ医学の教育の中心地であり、ヨガの姿勢を表した像も設置されていました。
寺院の起源は、1788年にラーマ1世(在位1782~1809年)が、1767年のビルマ軍によるアユタヤ侵攻で破壊された大きな仏像の破片を取り入れて、以前の寺院ワット・ポーダラムの修復を開始したことに遡ります。その後数世紀にわたり大規模な拡張や改修が行われ、特にラーマ3世(1824~1851年)の時代に古代の医学書が寺院の敷地内に掲示されました。これらの医学書は2008年にユネスコの世界記憶遺産プログラムに登録され、貴重な文化遺産として認められています。
ワット・ポーは、長さ43メートル、高さ15メートルの壮大な涅槃仏(プラ・ブッダサイヤス)で世界的に知られています。涅槃仏は右腕で頭を支え、ガラスモザイクで華麗に装飾された枕の上に安置されています。仏の足裏は縦4.5メートル、横3メートルの真珠母貝のパネルで飾られ、108の吉祥紋様(花、踊り子、白象、虎など)が描かれています。仏像の上には、タイ王権を象徴する七段傘が掲げられています。像の側の回廊には108の青銅の鉢が並び、訪問者はここにコインを入れて幸運を祈り、寺院の維持を支援しています。
寺院の敷地は、ソイ・チェトゥポンという通りで東西に分けられた二つの大きな塀で囲まれています。北側の敷地には涅槃仏と有名なタイ伝統マッサージ学校があり、南側のトゥックガウィーは僧侶の居住する現役の僧院と学校があります。敷地内には91基のチェディ(仏塔)があり、そのうち4基は初代から4代目までのチャクリ王朝の王に捧げられ、71基は王族の遺骨を収めています。複数の門は、中国の巨大な石像で守られており、これらの像はかつて中国との交易船のバラストとして輸入されたものです。
建築面では、ワット・ポーは多様な様式と豊かな芸術性を誇ります。外側の回廊には、ラーマ5世がかつて1200体購入した仏像のうち400体が並び、さまざまなポーズやデザインの仏像が金箔の台座に均等に配されています。寺院の外壁にはタイの国民叙事詩「ラーマキエン」の場面が約150点描かれており、俗世から霊的次元への超越を象徴しています。主寺院は大理石の台座の上に建てられ、門には神話の獅子像が配されています。
涅槃仏の隣には、仏陀が悟りを開いたインドの元々の菩提樹から繁殖させた聖なる菩提樹を配した小さな高台の庭園があります。この静かな空間は寺院の精神的な雰囲気をさらに高めています。
ワット・ポーはタイ初の「大学」とも呼ばれ、芸術、宗教、文学、医学における豊かなタイの知恵の宝庫です。また、タイ伝統マッサージの発祥地として国際的に有名で、世界中に施術者を輩出するマッサージ学校も併設しています。訪問者は寺院内で本格的なタイマッサージを体験することもでき、文化的・精神的に貴重な観光地となっています。
行き方
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車で(By car): バンコク中心部から車で約10~15分。周辺には有料駐車場があります。
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バスで(By bus): バンコク市内の多数のバス路線(例:ルート1, 2, 15など)が「サナムチャイ(Sanam Chai)」駅付近を通ります。最寄りバス停は「ワット・ポー前(Wat Pho)」です。
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BTS(高架鉄道)と徒歩: BTSサパーンタクシン駅からチャオプラヤーエクスプレスボートに乗り換え、サナムチャイ船着き場で下船、徒歩約5分。
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地下鉄(MRT): サナムチャイ駅(Sanam Chai Station)下車、徒歩約5分。
旅行のヒント
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寺院内は宗教施設のため、肩や膝を覆う服装で訪問してください。
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涅槃仏は非常に人気のため、朝早く訪れると混雑を避けられます。
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寺院内のマッサージ学校で本場のタイ伝統マッサージ体験が可能です。予約をおすすめします。
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写真撮影は許可された場所で行い、礼儀を守りましょう。
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銅の鉢にコインを入れて願い事をするのも人気です。
入場料(Admission Fee)
- 無料(マッサージ体験や特別催しは別途料金)