“この場所には、供物の香りが漂う仏陀の本来の住居である根本香室の遺跡があり、アーナンダの庵が近くにあります。また、山を登る途中には、舎利弗窟と目犍連窟を訪れることができます。”
インドのラージギル(Rajgir)にある霊鷲山(Vulture's Peak / Gijjhakuta)頂上の根本香室(Mulagandhakuti)は、仏教において非常に重要な意味を持っています。ここは仏陀が特に好んだ住居の一つであり、特に彼の3番目、5番目、7番目の雨安居、そして涅槃前の最後の雨安居を過ごしました。
歴史的記録によると、ここは仏陀が居住し、多くの比丘や在家信徒に法を説いた(例:『無我相経』)精舎でした。また、彼の主要な弟子である舎利弗と目犍連が頻繁に法を聞きに来た場所でもあります。現在でも、本来の根本香室であったとされるレンガ造りの基礎の残骸や、その近くにあるアーナンダの庵を見ることができます。
仏教の記述によると、仏陀の住居はどこも様々な香しい供物で満たされていました。信者たちは香木や香花を絶え間なく仏陀に供え、これらの供物は住居の内部を飾ったり、周囲に並べられたりしました。純粋な香りで仏陀を供養しようという強い願いから、仏陀の住居の後ろには、大量の干し花の山が積まれていたと言われています。これが「根本香室」、すなわち香りを根本とする住居という名前の由来です。
霊鷲山を登る途中、山頂近くには、主要な弟子たちが滞在した重要な洞窟があります。それが舎利弗窟と目犍連窟です。これらの場所は、仏陀が説法し、弟子たちが修行に励んだ場所でもあります。
霊鷲山は、その文化的・精神的価値を維持するために手入れと開発が続けられており、世界中の仏教徒を惹きつけています。様々な国からの巡礼者が、仏陀の功徳を偲び、功徳を積むためにここを訪れます。近くには、日本の仏教徒によって建てられた世界平和仏舎利塔(Vishwa Shanti Stupa)があり、世界平和の象徴となっています。
通常、ここの雰囲気は静かで穏やかで、瞑想や精神的な内省に最適です。訪問者は神聖な雰囲気と山頂からの美しい自然の景色を楽しむことができます。
この場所は、仏教史に興味がある方、瞑想の実践者、そして心の平穏を求める方々に強くお勧めします。
仏陀の法が広まった重要な場所の歴史に浸り、神聖な雰囲気を体験したいなら、ラージギル霊鷲山の根本香室は必見の目的地です。
行き方
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飛行機: 最寄りの空港はガヤ国際空港(Gaya International Airport - GAY)です。そこからタクシーまたはバスでラージギルへ移動します(約60-70km)。
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電車: ラージギル駅(Rajgir Railway Station)で降車します。そこからオートリキシャまたはタクシーで霊鷲山の麓へ移動します。
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車/バス: ビハール州および周辺の主要都市から、自家用車またはバスでラージギルへアクセスできます。
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霊鷲山への登り方: 主に2つの方法があります。整備された遊歩道を歩いて登るか、**チェアリフト(ロープウェイ)**を利用する方法です。チェアリフトはラトナギリ丘(Ratnagiri Hill、世界平和仏舎利塔の所在地)まで運行しており、そこから根本香室までは少し歩きます(約10-15分)。
旅行のヒント
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登山やチェアリフト降車後からの移動のために、歩きやすい靴を準備することをお勧めします。
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特に暑い季節には、十分な飲料水を持参してください。
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道中にいる可能性のあるサルに注意し、餌を与えないでください。
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宗教施設であるため、慎重で敬意を払った服装を心がけてください。
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登り降りにかかる時間と、山頂の様々な場所を訪れる時間を考慮して、余裕を持ったスケジュールを立ててください。
入場料
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根本香室および霊鷲山自体に入場料はありません。
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チェアリフトを利用する場合は料金がかかります。
開園時間
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通常、日中の時間帯はいつでも訪問可能です。
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チェアリフトは通常、朝から夕方まで運行しています(目安として午前8:00〜午後5:00;現地で正確な時間を確認することをお勧めします)。