“ヘミス僧院はチベット仏教ドラukpa系の重要拠点であり、200以上の支院と1000名以上の僧侶を抱える精神的な中心地です。毎年5月の旧暦10日と11日に行われるヘミス祭は、僧侶たちが鮮やかな仮面をつけて踊る伝統的なチャム舞で知られています。”
ヘミス僧院(Hemis Monastery)は11世紀にその起源を持ちますが、17世紀に国王センゲ・ナムギャルと高僧タクツァン・レパ・ングァン・ギャツォによって再建されました。ドラukpa系の寺院として重要な役割を果たし、チベット建築様式の美しい建物や、ニンマ派の祠堂、法堂、博物館などを備えています。館内には壁画やタンカ、仏像、古文書など貴重な宗教文化財が多数収蔵されています。
かつて著名なヨギであるギャルワ・ゴツァンパ・ゴンパ・ドルジェがこの寺の上方の洞窟で瞑想し、その名を冠した瞑想センターが存在します。現在は、ギャルワン・ドルクパ法王の指導のもと、1000人以上の僧侶が修行と布教に従事しています。
毎年旧暦5月の10日と11日に開催されるヘミス祭は、蓮華生大士(グル・リンポチェ)の生誕を祝う伝統行事であり、盛大なチャム舞が行われます。僧侶たちは神や悪魔の仮面をかぶり、銅鑼、ラッパ、大太鼓などの伝統楽器に合わせて踊り、正義が悪に勝つ物語を表現します。この祭典はラダックで最も著名なチベット仏教の祭りのひとつです。
寺院の博物館は多くのタンカ、仏像、法具、古文書を所蔵し、宗教的・文化的価値が高い観光スポットとなっています。
行き方
レー市内からレー–マナリハイウェイを通り、車で約40km、約45分の距離にあります。タクシーやレンタカー、ツアー参加がおすすめです。
旅行のヒント
6月から9月が訪問に適した季節で、特にヘミス祭期間中は宿泊や交通の予約を早めに行うことが重要です。高地の乾燥した気候や強い紫外線に備えて、日焼け止めや保温対策を準備してください。寺院内での撮影は必ず許可を得て、宗教的儀式には敬意を払ってください。
入場料
- インド国民:約50ルピー
- 外国人観光客:約100~200ルピー(博物館入場料含む場合あり)
開館時間
- 毎日08:00~13:00、14:00~18:00
- 13:00~14:00は休憩時間