“弥生時代の村落を歩きながら、住居・水田・出土品を通して古代日本の稲作文化を深く理解できる場所。”
登呂遺跡(Toro Ruins)は、約1,800~2,000年前の弥生時代後期に栄えた稲作集落の跡で、日本における水田農耕文化の成立を直接示す重要な考古遺跡です。1943年、第二次世界大戦中の軍需工場建設工事中に偶然発見され、その後の大規模な学術調査によって日本初となる弥生時代の本格的な水田跡が確認されました。この発見は戦後日本の考古学を大きく前進させ、日本考古学協会の設立にもつながった極めて重要な出来事として知られています。
現在の登呂遺跡は広大な歴史公園として整備され、竪穴住居や高床倉庫、祭祀に使われたとされる建物などが実物大で復元され、当時の人々の生活空間を視覚的に体験できます。また周囲には古代米「赤米」を栽培する復元水田が広がり、弥生の農耕の様子をそのまま再現しています。
隣接する「静岡市立登呂博物館」では、土器や木製農具、織具など、湿地条件により奇跡的に良好な状態で残った出土品が数多く展示されており、そのうち775点以上が重要文化財に指定されています。博物館の1階には体験展示室があり、弥生時代の道具の使い方や生活技術を学べる参加型コーナーも人気です。
行き方
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JR静岡駅から
北口バスターミナルより「登呂遺跡」行きのバスで約10〜15分。 -
車でアクセス
東名高速・静岡ICから車で約10分。 -
徒歩
JR静岡駅から徒歩約40分(周辺は平坦で歩きやすい)。
旅行のヒント
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博物館は月曜日が休館になるため、訪問日を事前に調整すると安心です。
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復元水田は季節によって雰囲気が変わるため、特に初夏や秋の収穫期が写真映えします。
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遺跡公園は24時間開放されており、早朝や夕方の散策もおすすめです。
入場料:
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遺跡公園:無料(24時間開放)
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登呂博物館:2階展示室のみ有料(一般 約300円)
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1階体験展示室は無料の場合が多い
営業時間:
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遺跡公園:24時間開放
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登呂博物館:9:00〜16:30
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休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始