“166メートルの長さを誇る赤い橋が、峡谷の断崖と豊かな森林に美しく調和し、展望台や列車からの絶景スポットとして人気。”
北アルプスの険しい山々に囲まれた黒部峡谷(Kurobe Gorge)は、日本でも屈指の美しさを誇る渓谷です。黒部川によって削り取られたこの峡谷は、断崖絶壁、豊かな森林、天然温泉が調和する手つかずの自然の宝庫。四季折々に姿を変える風景は訪れる者すべてを魅了します。
その象徴とも言えるのが、真紅に輝く山彦橋(Yamabiko Bridge)。全長166メートルを誇り、黒部川にかかる橋として最長を誇ります。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、どの季節に訪れても息をのむような景色が広がります。橋は宇奈月駅周辺、山彦展望台、そして旧鉄道橋を改修した**歩道橋(旧山彦橋)**など、さまざまな視点から楽しめます。
橋の近くでは、かつて黒部ダム建設に用いられた黒部峡谷鉄道が、現在は観光列車として運行されています。小型のトロッコ列車が宇奈月駅〜欅平駅間の約20kmを走り、20の橋と40以上のトンネルを抜けていく80分間の旅は、峡谷の絶景を堪能できる特別な体験。各駅では途中下車が可能で、歩道散策や温泉なども楽しめます。
列車の汽笛が峡谷に反響するその音こそが「山彦(やまびこ)」の名の由来。まるで時が止まったような、静かで感動的なひとときを感じられる場所です。
行き方
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東京方面より:JR北陸新幹線で「黒部宇奈月温泉駅」へ(約2時間半)、そこから徒歩で新黒部駅に移動し、富山地方鉄道で「宇奈月温泉駅」へ(約25分)。駅から徒歩数分で「宇奈月駅」へ。
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大阪・京都方面より:JRサンダーバードで金沢まで移動、JR北陸新幹線に乗り換えて「黒部宇奈月温泉駅」へ(合計約3時間)。その後、同様に富山地方鉄道で宇奈月温泉駅へ。
旅行のヒント
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朝早めに出発することで、トロッコ列車と展望スポットをゆったり楽しめます。
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天候(特に雨や雪)によって列車運行に影響が出る可能性があるため、事前に天気予報をチェック。
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トロッコ列車のチケットは予約不要ですが、繁忙期は待ち時間が長くなるため時間に余裕を持ちましょう。
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黒部峡谷と立山黒部アルペンルートは別の観光地なのでご注意を。
入場料:
- 山彦橋:無料
黒部峡谷鉄道:距離により異なる(宇奈月〜欅平の往復で約3,960円)
営業時間:
- 橋の見学は日没まで可能
黒部峡谷鉄道は毎年4月下旬〜11月中旬まで運行(季節運行)