プーペック仏塔（Phra That Phu Phek）は、プーパン山頂に位置する歴史的かつ天文学的に重要な古代の石造り聖域です。16世紀頃の古代クメール時代にヒンドゥー教の宗教施設として建てられ、後に仏教の聖域へと改修されました。

この聖域は砂岩で造られ、ラテライトの基盤の上に建っています。平面は四角形で、前面は長方形のマンダパ（本堂）に接続しています。聖域自体は高さ 7.67メートル で、屋根や尖塔がない未完成の状態です。これは、梁が設置されただけで建設が中断されたためです。

パノム仏塔の伝説によると、この聖域は男性たちがナーラーイ・ジェンウェン塔を建設する女性たちと競争して建てたものだと伝えられています。先に完成させた方が仏陀の遺物を祀ることができるという条件でしたが、女性たちが空に「ペック星」の形の火を灯したため、男性たちは夜が明けたと勘違いして建設を中断してしまいました。これがプーペック仏塔が未完成のまま残されている理由だとされています。

プーペック仏塔は、その古代の知恵でも際立っています。聖域の構造が天文暦として機能するように設計されているからです。研究によると、春分や秋分（3月21日と9月21日）などの重要な季節の日には、太陽の光が聖域の四角い開口部を通り抜けることが確認されており、古代の人々の驚くべき建築と天文学の知識を示しています。

歴史や自然観光が好きで、古代の天文暦の不思議を体験したい方には、プーペック仏塔は絶対に見逃せない場所です。

• 自家用車: サコンナコン市内から22号線（サコンナコン-ウドンターニー）を走行し、139km地点で左折します。その後、地方道2016号線に入り、バーン・プーペックまで進み、山道を登って駐車場に到着します。

• 聖域まで: 駐車場からは、約 491段 の石段を歩いて登る必要があります。 

• 聖域までの道は険しく、多くの階段を登る必要があります。十分な体力の準備をし、歩きやすい靴を履いて、飲み水を持参することをおすすめします。

• 早朝または夕方の時間帯が訪問に最適です。日差しが強すぎず、美しい日の出や夕日を眺めることができます。

• 頂上には、サコンナコン県を一望できる広大な展望台があります。