“全て黄金色のチーク材で建てられ、古代ビルマの木工技術の頂点を示す精緻な彫刻が施されている。”
シュエナンドー僧院(別名「ゴールデンパレス僧院」)は、ミャンマーにおける最も重要な歴史的・建築的遺産のひとつです。もとはミンドン王の王宮の一部で、国王の瞑想室として使われていました。ミンドン王の死後、息子のティーボー王はこの建物を解体し、王宮の外、現在のマンダレーパレス北東部へ移築するよう命じました。
この移築は歴史的に幸運な出来事となりました。第二次世界大戦中、連合軍の爆撃でマンダレーパレスの大部分が破壊されましたが、シュエナンドー僧院は無傷で残ったのです。今日では、ミンドン王時代から現存する唯一の木造建築として、ビルマ王朝の歴史を今に伝えています。
建物は全て黄金色のチーク材で造られており、チーク材は耐久性と美しい木目で知られています。壁、柱、扉、破風板など、あらゆる部分に精巧な彫刻が施され、仏教神話、本生譚(ジャータカ)、天人像、複雑な植物文様などが描かれています。かつては金箔やガラスモザイクで装飾され、陽光を浴びて輝いていたといわれます。
僧院内を歩くと、古いチークの香りが漂い、19世紀ビルマの職人技術の高さを肌で感じられます。全ての構造は釘を使わず、精密なホゾ組み技法によって組み上げられており、その建築技術は現代でも驚嘆に値します。
行き方
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マンダレー国際空港から: タクシーで約45分、マンダレーパレス北東エリアへ。
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マンダレー市中心部から: タクシーまたはバイクタクシーで約10〜15分。
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自転車またはバイクレンタル: クドードーパゴダ、サンダムニパゴダ、マンダレーパレスなど近隣の観光と組み合わせて訪問するのに便利。
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僧院は宮殿の堀のすぐ外にあり、北部宮殿エリアの観光と合わせやすい。
旅行のヒント
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肩と膝を覆う服装で訪問すること。
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僧院内に入る前に靴を脱ぐ必要がある。
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朝早くか夕方に訪れると、涼しく光線も美しい。
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建物全体や彫刻を撮影するには広角レンズが便利。
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仏教の祭り(例:ヴァーサック)期間中は装飾が施され、多くの信者で賑わう。
入場料:
- マンダレー考古学ゾーンチケットに含まれる(10米ドル、1週間有効、複数の遺跡に入場可能)。
開館時間:
- 毎日 08:00〜18:00。