ブッダガヤ(Bodh Gaya)は、仏教の四大聖地の中で最も重要な場所の一つであり、世界中の仏教徒にとって最も神聖な場所とされています。ここは仏教が始まった場所であり、シッダールタ太子が最高の悟り（阿耨多羅三藐三菩提）を開き、完全なる仏陀となられた場所です。

仏教の伝統によると、紀元前500年頃、苦行者として放浪していたガウタマ・シッダールタ太子は、ガヤ市近郊のファルグ川のほとりの静かな岸辺に到達しました。そこで彼は、現在のマハボディ寺院の西側に位置する菩提樹（Ficus religiosa）の下に座って瞑想を行いました。三日三晩の激しい瞑想の後、シッダールタは、彼が探し求めていた答えを、菩提樹の下にある赤い砂岩の板である菩提座（金剛座とも呼ばれる）—彼が覚醒した正確な場所—において、悟りと深い洞察を得たと主張しました。

悟りを開いた後、仏陀は近隣の七つの異なる場所（サッタ・マハスターナ、または七周の歓喜の場所と呼ばれる）で七週間を過ごし、解脱の喜びを体験しました。

• 第1週：菩提座（菩提樹の下）

  • 仏陀は、悟りを開いたまさにその場所である菩提樹の下の金剛座に結跏趺坐し、七日間、解脱の喜びを味わいました。

• 第2週：アニミサ・チェーティヤ（無瞬塔）

  • 菩提樹の北東に位置し（現在は小さなストゥーパに覆われています）、仏陀は七日間、まばたきせずに菩提樹を見つめ続け、悟った法を思索しました。

• 第3週：ラタナカンカマ・チェーティヤ（宝石の遊行所）

  • マハボディ寺院の北に位置し（現在は経行瞑想用の盛り上がった台で示されています）、仏陀はここで経行を行い、解脱の喜びを味わいました。

• 第4週：ラタナガラ・チェーティヤ（宝石の家）

  • マハボディ寺院の北東に位置し（現在は小さな寺院と聖堂になっています）、仏陀は神々が創造した宝石の家で、七日間、アビダルマ（阿毘達磨）について思索しました。

• 第5週：アジャパラ・ニグローダ樹

  • マハボディ寺院とニランジャナ川の間に位置し（現在、樹木やストゥーパは残っていませんが、仏陀の転法輪相の仏像が安置されています）、仏陀はバニヤン樹の下で瞑想しました。ここで一人のバラモンが、いかにしてバラモンとなるかについて尋ねました。仏陀は、バラモンになるのは生まれではなく行為によるものであると答えました。

• 第6週：ムチャリンダ湖（ムチャリンダ・チェーティヤ）

  • マハボディ寺院の南東に位置し（池に囲まれ、多頭のナーガに守られた仏陀の像が安置されています）、仏陀はムチャリンダの木の下で結跏趺坐しました。その時、激しい嵐が起こり、ナーガ王ムチャリンダが湖から現れ、仏陀の体を七重に巻きつけ、傘のように頭部を覆って彼を守りました。

• 第7週：ラージャヤタナ樹

  • マハボディ寺院の南に位置し（現在は大きな木になっています）、仏陀はラージャヤタナの木の下で瞑想しました。ここでタパスとバッリカという二人の商人兄弟が、彼に米粉の餅と蜂蜜を供養し、仏教で最初の在家信者となりました。

これら七週間の後、仏陀はサルナートへ旅立ち、そこで仏教を教え始め、最初の説法を行いました。

ガウタマ仏陀の弟子たちは、ヒンドゥー暦のヴァイシャーカ月（4月から5月）の満月の日にこの聖地を訪れるようになりました。時が経つにつれて、この場所はブッダガヤとして知られるようになり、悟りの日は仏陀プールニマ（ウェーサーカ祭）として、そしてその木は菩提樹として知られるようになりました。

ブッダガヤの歴史は、多くの碑文や巡礼記に詳細に記録されており、中でも5世紀の中国巡礼者法顕と7世紀の玄奘の記録が最も注目されます。この地域は何世紀にもわたり、活気ある仏教文明の中心地として栄えましたが、13世紀にトルコ軍に征服されました。ブッダガヤという地名が広く使われるようになったのは、紀元18世紀になってからです。歴史的には、ウルーウェラ、サンボーディ、ヴァジュラサナ、またはマハボディといった様々な名前で知られていました。ブッダガヤの主要な僧院は、かつてはボーディマンダ・ヴィハーラ（パーリ語）と呼ばれていましたが、現在はマハボディ寺院として知られています。この寺院はニランジャナ川の西に位置し、川から約350メートル離れたインドのビハール州ガヤ県にあります。

2013年7月7日、マハボディ寺院敷地内で5発の爆弾が爆発し、町でもさらに4発の爆弾が爆発、3発は処理されました。現在、ブッダガヤでは厳重な警備体制が敷かれており、金属探知機や高精細CCTVカメラを備えた3層の検問所が設置されています。

• 飛行機： 最寄りの空港は**ガヤ空港（GAY）**で、ブッダガヤから約12km離れています。この空港は国内線のごく一部と、主に巡礼者向けの国際チャーター便を運航しています。あるいは、**デリーのインディラ・ガンディー国際空港（DEL）**が最も近い主要な国際空港で、約200～230km離れています。デリーからガヤへは、電車、バス、またはタクシーを利用できます。

• 電車： ガヤは広範囲にわたる鉄道網によって非常によく接続されています。主要な鉄道駅は**ガヤ・ジャンクション（Gaya Junction - GAYA）**です。デリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイなどのインド主要都市からの多くの列車がここに停車します。

• 道路： ブッダガヤは、デリー（ヤムナー・エクスプレスウェイ）やラクナウ（アグラ・ラクナウ・エクスプレスウェイ）からの高速道路を含む良好な道路網で接続されています。ウッタルプラデーシュ州や隣接する州の様々な都市から、バス（民間および国営）や個人タクシーが容易に利用できます。

• 最適な訪問時期： 天候が快適な10月から3月までの涼しい時期が最適です。猛暑のため真夏（4月から6月）と、湿度が高く雨が降るモンスーン期（7月から9月）は避けることをお勧めします。

• 早朝訪問： 人混みを避け、ブッダガヤの神秘的な輝きを体験するために、**早朝（日の出直後）**に訪れることを目指しましょう。これは写真撮影にも最適です。

• 履物： 入場時には靴を脱ぐか、提供される靴カバーを着用する必要があります。広大な敷地内を歩き回るため、快適な履物を持参することをお勧めします。

• セキュリティチェック： 厳重なセキュリティチェックを予想してください。大きなバッグ、食べ物、特定の電子機器は内部への持ち込みが許可されていません。事前に公式ガイドラインを確認してください。

• 敬意を払った服装： 特に複合施設内の寺院や聖地を訪れる際は、慎ましい服装を心がけましょう。

• チケット： 特に繁忙期には、時間を節約し、行列を避けるために、事前にオンラインでチケットを購入することをお勧めします。外国人観光客向けに別の列が用意されていることがよくあります。

• ガイド： 歴史的な洞察を得るために、入り口で公認ガイドを雇うことを検討してください。ただし、事前に料金を合意するようにしましょう。

入場料：

• 外国人： 約100インドルピー（マハボディ寺院の入場料を含む）。カメラ/ビデオの追加料金が発生する場合があります。

• インド人： 約15インドルピー（マハボディ寺院の入場料を含む）。

• 15歳未満の子供： 入場無料。

開館時間：

• 毎日開館： 日の出（約午前5:00）から日没（約午後9:00、または寺院の閉門時間による）まで。

• 休館日： 定期的な休館日はありませんが、特定の主要な祭りの期間中には時間が変更される場合があります。