“旧砂岩採石場の岩肌に刻まれた、スイス親衛隊の忠誠と勇気を讃える迫力あるレリーフ。”
ライオン記念碑(The Lion Monument)は、スイスで最も心を揺さぶる追悼碑の一つとして広く知られています。静かな公園に位置し、かつて砂岩採石場であった岩壁のくぼみに直接彫られている点が、このモニュメントの悲哀と荘厳さを一層際立たせています。
巨大な瀕死のライオンは槍に貫かれながらも、フランス王家の象徴であるフルール・ド・リスが刻まれた盾を守るように前脚を添え、横にはスイスの紋章が刻まれた盾が置かれています。その上にはラテン語で "HELVETIORUM FIDEI AC VIRTUTI"(「スイス人の忠誠と勇気に捧ぐ」)と刻まれています。
この記念碑は、1792年8月10日、フランス革命下のテュイルリー宮殿で 約760名のスイス親衛隊が国王ルイ16世を守るために戦い命を落とした悲劇を追悼するものです。彼らは、スイス傭兵の伝統である 「Fidelitas(忠誠契約・忠実さ)」 に従い、終始その任務を全うしたことで知られています。この忠誠の精神こそが、記念碑の中心的テーマです。
この作品は、デンマークの著名な彫刻家ベルテル・トルバルセンによってデザインされ、石工ルーカス・アーホルンによって1820〜1821年に彫刻されました。アメリカの作家マーク・トウェインは、この記念碑を「世界で最も悲しく、最も胸を打つ石の作品」と称賛したことでも有名です。
周囲には氷河庭園(Gletschergarten)やブールバキ・パノラマなどの人気スポットがあり、セットで訪れるのに最適な立地です。
行き方
- 徒歩: ルツェルン旧市街またはカペル橋から徒歩10〜15分です。
- 公共交通機関: ルツェルン駅 (Bahnhof Luzern) からバス1番または19番に乗り、レーヴェンプラッツで下車します。記念碑はバス停からすぐです。
- 車: 周辺地域の駐車場は限られています。道が狭いため、徒歩または公共交通機関の利用をお勧めします。
旅行のヒント
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早朝または夕方に訪れると、最も光が良く、人も少ないです。
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すぐ近くの氷河公園とブルバキ・パノラマも一緒に訪れてみましょう。
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記念碑は屋外にあり、博物館の開館時間外でもいつでもアクセスできます。
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午前遅くから午後の早い時間帯は、大規模なツアーグループが多いと予想されます。
入場料:
- ライオン記念碑: 無料。
(隣の氷河公園には別途入場料がかかります。)
営業時間:
- 年中無休、24時間オープン。